お茶目すぎるドキュメンタリー『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』

どうも。
なんか観る映画や読む本を悲しいほどにすぐ忘れてしまうので、本当にきれいに忘れてしまうので、覚えてるうちになるべくちゃんと書いておくことにします。続くかなあ。続かないだろうなあ。まぁいいや。
イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ
監督:バンクシー
2012年 / アメリカ・イギリス


イギリスはブリストル生まれのストリートアート界の巨匠、バンクシー(Banksy)がほぼほぼ他人の撮ったフィルムだけで作ったドキュメンタリー映画
これがものすごい面白い。爆笑した。そういう面白さ。ドキュメンタリーなのに爆笑できるとかおかしい。多分誰がみても、バンクシーとかグラフィティとかアートとか全然興味なくても絶対面白い。90分が短い。
バンクシーの作品は、誰にでもわかりやすく落とし込まれたメッセージ性と、ニクい捻りのあるアイデアと仕掛け、黒ーいシニカルさとお茶目な可愛らしさの不思議な同居が魅力だと思うんですが、この映画もまさにバンクシーの作品そのもので、いやあ何を作ってもバンクシーバンクシーなんだなぁと関心した次第でありました。
ネタバレにならない程度に書くと、グラフィティの制作風景を撮影するのが趣味の、ちょっと変なおじさんを追った映画なんですが、映画の全編殆どそのおじさんが撮ったフィルムで構成されてます(バンクシー自分で撮ってないところがこれまたミソ)。私はグラフィティあまり詳しくないんですが、そんな私でも知ってるインベーダーの人や「OBAY」の人、影なぞって描く人なんかも出てきて、ちょっとしたストリートアート回顧録みたいになってるのも見ごたえあります。(どうでもいいけど「OBAY」の絵ってキンコーズで出力して貼りあわせてるのね…この映画で初めて知ったw東京のキンコーズじゃあんなはた迷惑な人見たことないわ。吹いた。)
アートの本質に迫るテーマを、バンクシーらしく皮肉たっぷりに痛烈に風刺を効かせて描いていますが、不思議とほのぼのとハートウォーミングな仕上がりになっており、なぜか全編に渡って爆笑&ニヤニヤしてしまうという…精密に仕掛けられた、お茶目ないたずらのような映画でした。予告編だけ観るとクールなドキュメンタリーかと思ってしまうが全然イメージ違うよこれ。
ジェフ・バーロウ(Portishead)とロニサイズが音楽を担当とこれまたブリストル責め。ブリストルサウンド好きなので音楽ももちろんよかったんだが、映画がおもしろすぎてあんまり強い印象がないwサントラ出ないのかなあ。欲しいな。
繰り返すけどホント誰がみても面白いと思いますこの映画。バンクシーの絵が老若男女問わず楽しませてくれるのと同じで。やー、ユーモアって大事だ。ホント大事だ。

#(追記)公式サイトのバンクシーのインタビューがまた最高だった。


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ついでに何年か前に久々に出たというPortisheadの3rdアルバムを聴いてみたけどこれもよかった。ブリストル産のものはなんでこんなにわしのハートに刺さるのか…。陰鬱かつチャーミング。
Third
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