偉大な人って孤独だよなぁ。

深夜、NHKマイケル・ジャクソンの追悼特集がやっていて、ついつい見入ってしまいました。
淡々とマイケルのPVやコンサート映像を流すだけの番組だったのですが、それこそがまさに一番のエンターテイメントであり、追悼だよね。
さすがNHK、とてもいい番組でした…。


その後に、カーペンターズの特集が続けてやっていたのですが、「青春の輝き -I need to be in love-」の歌詞が改めて刺さってしまいました。拒食症で亡くなった天才スター、カレンのその孤独を歌った歌で、カレン自身一番好きな歌だったそうです。

I know I need to be in love
I know I've wasted too much time
I know I ask perfection of
A quite imperfect world
And fool enough to thing that's what I'll find


知ってるわ、私には愛が必要だと
わかってる、多くの時間を無駄にしたわ
わかってる、私は不完全な世界に完璧を求めてしまっていること
そして、愚かなことにそれに出会えると信じてしまっているの



幸せに生きたいと誰よりも強く願いながらも、常にコンプレックスにまみれ、飢え続け、高い理想を求め続け、そのようにしか生きられない人種が居る。
それが自分自身にとって必ずしも幸せなことではないと、痛いほど知りながら。
皮肉なことに、多くの人生を幸せに導くような偉業を成し遂げた、天才と呼ばれる人達の多くが、こうした多くの人に理解されない孤独や、ある種クレイジーな部分を抱えているような気がします。


マイケル・ジャクソンもしかり、その生涯は孤独でした。
多くの人に愛され天才的な数々の偉業を成し遂げながら、トラウマとコンプレックスを内面に抱え続け、誰も彼のことを彼のレベルで本当に理解することはなかったんではないかと思います。


また、偉大な人の孤独はアーティストやポップスターに限らず。
成功した企業家は、幼少期に不安定な家庭環境に育った人が多いという統計があるそうです。(出典元のページが残念ながらなくなってしまいました…とても面白い文献だったんですが。)
変化を求め続け安定を嫌う、それが成長企業のリーダーにとって不可欠な資質なんだそうです。その資質は、幼少期に培った欠乏感やトラウマから来ていることが多いんだそうな。
なるほど、興味深い視点でした。


偉大な仕事を成し遂げた人の多くは、そのような解消できない深い孤独を抱え続け、それを原動力に、自身の仕事によって驚くほどポジティブな力に転化して、世の中を良き場所に変えてきたのだと思います。


一人の人間として、周囲の人を幸せにし、また自分自身の幸せを追求することがとても尊いことであると同時に、また、普通の幸せを手にした人では、決してたどり着き得ない地平もあるのかもしれないなぁと、そんなことを最近よく考えたりしてます。
コンプレックスや孤独を解消できずそれを抱え続けること、それこそが才能の源泉だとすると、万人に「健全な精神」を求めることも、それはそれで酷な場合があるのではないかなぁ。


Stay Hungry, Stay Hoolish.
スティーブ・ジョブズのとても好きな言葉ですが、これはこれでとても厳しい生き方なのかもしれないね。
偉大な人の孤独について、これからもたびたび考えていきたい、好きなテーマです。


I need to be in love ─ The Carpenters



「青春の輝き -I need to be in love-」
※恐縮ながら訳してみました。間違ってたらごめんなさい…。

The hardest thing l've ever done
Is keep believing
There's someone is this crazy world for me
The way that people come and go
Through temporary lives
My chance could come and I might never know


I used to say "No promises
Let's keep it simple"
But freedom only helps you say Goodbye


It took a while for me to learn
That nothin' comes for free
The price I've paid is high enough for me


I know I need to be in love
I know I've wasted too much time
I know I ask perfection of
A quite imperfect world
And fool enough to thing that's what I'll find


So here I am with pockets full
Of good intentions
But none of them will comfort me Tonight
I'm wide awake at four a.m
Without a friend is sight
Hanging on a hope but I'm alright.......



私にとって一番難しかったのは信じ続けること
この信じ難い世界に私にぴったりな人がどこかにいると
はかない人生で人々は行き交うばかり
私にチャンスが来ても気づかないかもしれないわ


「約束は要らないわ。シンプルな関係を続けましょ」
私はよく言ったわ
でも自由は別れをいとも簡単に呼び寄せただけ


長い時間がかかったけどよくわかったわ
タダでは何も手に入らない
そのために私にとってはとても高い対価を支払ったの


知ってるわ、私には愛が必要だと
わかってる、多くの時間を無駄にしたわ
わかってる、私は不完全な世界に完璧を求めてしまっていること
そして、愚かなことにそれに出会えると信じてしまっているの


私のポケットにはみんなの善意でいっぱい
でもそれは今夜の私を慰めてはくれないと思う
午前4時になっても目が冴えたまま
友達も居なくて、希望にすがりついている
でも私は大丈夫



なお、この歌のアンサーソングとして、山口百恵の「一恵」を挙げたい。


百恵ちゃんが結婚引退する時に、百恵ちゃん自身が作詞した曲です。
多くの人に愛されるスターとしての「百恵」よりも、一人の人を愛し愛される「一恵」を選んだ百恵ちゃん。

母にもらった名前通りの
多すぎる程の倖せは
やはりどこか寂しくて
秋から冬へ 冬から春へ
ひとつの愛を追いかけた



やはり、個人の幸せと偉大な仕事はトレードオフなのかもしれないなぁ。
#(もちろん、種類や程度にもよるのかもしれないけど。)


一恵 ─ 山口百恵