持ち物を処分したら物欲がなくなってきた話

最近、物欲が著しく減退傾向にあります。
もともと、結構物欲が激しく金遣いも荒い方だったと思うのだが、欲しいものが全く思い浮かばない。最近特にひどい。
まぁ、そもそも会社を辞めて安定した収入源がなくなり、収入も減ったので、あまり物欲を刺激するようなスポットに近づかないようにしているというのも大いにあると思うのだが、通販サイトでカワイイ服とか見たりしてもダメ。カワイイとは思うんだけど、全く欲しくならない。今ある服で似たようなコーディネイトできるよなぁ、とか考えて大体満足しちゃうのだ。
去年の秋に引越しをしたのだけど、その時に棲み家が狭くなることや金無いことも相まって、自分の持ち物を思い切って7〜8割ほどいっきに処分した。本も読み終わったものは思い入れのあるもののみ残して全て売ったし、CDもリッピング済みのものは全部売った。洋服も着ないものは全て処分し、とにかくこれからの生活で使うシーンが思い浮かばないものは、心を鬼にしてなるべく捨てた。
捨てるときはすごく悲しくて、一人ベソかきながらひたすら捨てまくったのだけど、捨て終わるとびっくりするほど心が軽くなって、前向きな気持ちになれた。本当に、驚くほど。
物を所有するには場所も必要だ。必要な時に使えるように、整理して管理もしなきゃいけない。だらしない私は、いつか使うときが来たときの為にとっておいたのに、いざ使うときになったら見つけられずに、新しく買ってしまったものも多い。それでどんどん物が増えていき、使わない物に埋もれてしまうのだ。実際捨ててみて、結局全然使わなかったかわいそうな物達が多いこと多いこと。全くもって、申し訳ない話だ。えらく反省した。
周囲に自分の使うものしか置いてない生活は気持ちがいい。人は仕事時間の3割は探しものに費やしていると聞いたことがあるが(数字うろ覚え!)、使うものしか置いてないので、使いたいものはすぐに見つかるし、ものが見つからなくて困ることがすごく少なくなった。いらんことに気を取られなくなった。結果、行動パターンがミニマルにシンプルになる。自分にとって何が本当に必要なのか、視覚的にもすごくわかりやすくなるのだ。物に埋もれて、年中探しものばかりしていた自分には、ちょっと感動的な体験だった。
人は使わないものを所有するだけで、物理的にも心理的にもものすごいコストを払ってるんだということに、身をもって気づいたのだ。そう、「ガメる」のって案外辛いんですよ。
そんなこともあり、最近では物が殆ど欲しいと思えなくなってしまったのだ。結局使わないかもしれないとか、管理にかける面倒さとかを考えると、自分の負担を重くするものとしか思えなくなってしまったのだ。
理想的なのは、何か必要になったときに、持ってる誰かに借りれる様な環境ができるといいなぁと思う。なんだかムシのいい話だけど、逆に自分が持ってるものを誰かが必要なときにはなるべく貸すようにしたい。これは、仕事の分業と同じような話なのだと思う。不得意な部分は得意な誰かに頼んで、代わりに誰かが困っていたときには自分の得意な分野で力を貸すという、「助け合い」が今でいう仕事の原始の姿だったと聞いたことがある。「牛を一頭仕留めたんだけど、俺ひとりじゃこんなに食い切れないからあげるわ。腐っちゃうし。」「パン焼きすぎちゃったからちょっとおすそ分けね」みたいなところから、パン屋さんとか猟師さんとかの「職業」が生まれたという。仕事だって、もともと「シェア」だったんだ。今はいつのまにか、逆に、いかに自分が「ガメる」か、ということばかり考えるようになってしまった。どうしてこうなった!すみません、話えらい飛びました。
そんなわけで、物欲減退の一途を辿ってるわけだけど、唯一例外は本。本だけは次々と買ってしまう。読み終わったものはどんどん誰かにあげるか売るかしたい。本当は図書館通いをするのがいいのだろうけど、図書館ちょっと遠いんだよなぁ。読みたい本が置いてないことも多いし。iPadKindleで早く日本語の新刊が読める日が待ち遠しい限り。
物欲レスの生活は、心も満たされて割と良い感じではありますが、ロハスとかエコとか(素晴らしいとは思うけど)どちらかというと自分には縁のないものだと思っていたし、満たされない欲望を燃やし続けるライフ万歳と思っていたので、変なところで満たされて幸せになってしまって、逆に困っている。なんだかんだ、物欲がドライブする原動力って大きかったと思うのですよ。もうちょっと何かに飢えて生きていた方が、個人的には生き生きとするタイプだと思うので、もっと飢えたいなぁ、飢えなきゃなぁと思ってたりする。
人は物欲が満たされると、今度は何に飢えるんでしょうね。もっと根源的な欲望に近づいていければいいなぁと思う。世界の片隅でこんなくだらんブログを書くのもきっとその為なんだろう。


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